第六回目となりましたジュエリーの基礎知識講座。
今回はブラス、真鍮について考えてみます。
真鍮、ブラス=黄銅のことをいいます。
銅と、亜鉛の合金になります。
適度な強度があり、加工もしやすいところから、アクセサリーとしてだけではなく建築の金物や金属模型などにも使用されています。
また、5円玉の素材としても身近にある素材ですね。
金に似た綺麗な黄色の光沢を持つことから、金の代用品としても古くから使われ、美術工芸品などにも使用されています。
アクセサリーの面から見ると、安価で手に入るというのが真鍮製品の魅力であると言えます。
ブラスは、空気中では徐々に酸化して黒ずみが出てきます。
酸化銅というもので覆われてくるということによって変色が生じてきます。
真鍮製品を放置していたら、赤っぽくなりますが、それが酸化銅の皮膜という訳です。
真鍮製のアクセサリーを身につけていたら、手や首に変な色がついた事はありませんか?
それも酸化銅の皮膜が皮膚についてしまった、という事になります。
害はありませんが、しっかりと手などしっかりと洗っていただいたり、薄い色のお洋服を着る場合には注意していただいた方が賢明です。
普段のお手入れは、磨き布で磨いて頂ければ良いのですが
基本的には真鍮製のアクセサリーには金色、又は銀色のメッキをかけてあるものがほとんどになりますので、磨き布で磨くというよりも、柔らかい布で付着した汗などを拭いていただく程度で問題ありません。
磨き布でみがいてしまうと、表面のコーティングが剥がれてしまいますので、逆に注意が必要になります。
また、メーカー、ブランドによって、かけるメッキの種類が違うことから金色、銀色と記載しています。
真鍮製品のアレルギー
以前からの基礎知識講座でもアレルギーに関してはいくつか触れていますが、真鍮製品に関しては特に注意が必要と考えられます。
金属アレルギーとは 、
アクセサリー、ジュエリー等の金属を身につけたとき、汗や皮脂などで溶けてイオン化した上で体内に入り、次にその同じ金属をつけたときに拒絶反応がおこって、 皮膚がかゆくなったりかぶれたりすることです。
金属アレルギーは身につける金属の種類と、つける人の体質、体調などによって起こります。
その金属に触れた時点ですぐにアレルギーを起こす場合もありますし、 何回も接触しているうちにアレルギー反応が出てくる場合もあります。
その金属が溶けやすい条件ののときは注意が必要になります。
夏場になると痒くなる、というのもそのような事からなのです。
去年までは大丈夫だったのに、今年になってから急に、、、というのも体調面や徐々にアレルギー反応が出てきてしまったという事が考えられるのです。
また、金属アレルギーには個人差があります。
一般的には純度が高いものの方がアレルギーが出にくいと言われていますが、例外もあると思いますので、不安がある方は検査をしていただく事をお薦めします。
私の場合、ある時期突然K10の指輪を着けていたところ指輪が入らなくなるほど腫れて痒くなってしまいました。
それまではなんともなく、ほぼ毎日付けていたものでしたので驚きました。
その後もたまに付ける機会もありましたが、なんとなくやはり痒いような気がしてしまうので、K10製品には抵抗があります。
真鍮製品の場合は、大ぶりなピアスなど着ける機会がたまにありますが、朝から着けている場合、夕方になると調子が悪くなります。
主にパーティなどの時に着けていたりしたものですから、一日くらいはひとまず我慢して身につけていますが、その後数日間はピアスホールに違和感が出てしまいます。
アレルギーといっても私の場合はこれくらいで、程度も軽いと思っていますが、個人差がありますので、おかしいな?と感じられましたらその金属は避けていただく事が賢明です。
比較的K18、プラチナ製は大丈夫、という方が多いと思いますので、それらをお選びいただく方が安全ではあります。
とは言えど、ブラス、真鍮製品の魅力は大ぶりで気軽に身につけられるところにあります。
華やかな雰囲気を出したい、気軽に気分転換、コーディネートの印象を変えたい等の際にはとても有効になります。
18金やプラチナ製ですと、非常に高価になってしまうものでも、手に入りやすい事も魅力ですね。
ファッションとして、気軽なアクセサリーとして身に着けていただくには適している素材ですので
アレルギーの不安がない場合には、取り入れてお洒落の幅を広げていただけるのではないかと思います。
次回は、鍛造、鋳造についてお話します。